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(#゚;;-゚) 「こわかったね、えらいね」

|゚ノ ;∀;) 「お父様お母様は、すごいから、間違えるはずがないから、だから…でも、でもでも、最後の最後で、どうしようって……」


強く、とても強く、わたしは彼女を抱き締める。

|゚ノ ;∀;) 「………よ゛か゛っ゛た゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

|゚ノ ;∀;) 「わた、た、わたしはっ…ほんとに…『わたし』だった、『レモナ』だったよおおおおーーーっ!!」


神であれ人間であれ、本来言葉を使わずとも、想いを伝えることができるという。
わたしと、レモナは、それができたように思う。
優しくしっかりと抱き締めあった時間は、この星で生まれ育ち消えていったすべての存在に、きっと負けず劣らず尊いものだと、わたしは感じた。



―――――――――――

―――――――――――

―――――――――――



どれくらいの時間がたったろう?
泣き疲れたレモナと、つられて泣いたわたしは、なけなしのスープを少しずつ味わいながら、いっぱい、おはなしをした。

|゚ノ* ^∀^) 

わたしが覚えていたこと、そうでなかったこと。

(#^;;-^) 

わたしが知らなかった宇宙の出来事、レモナが知らないわたしの出来事。

ショボンがこの世界で果たしたかった、全てが終わった事。

彼の家族が増えたのか、それはどうしようもなく知り得ない。

ただ、少なくとも、ショボンは救っていた。

この星の誰にも観測されないうちに。

|゚ノ ^∀^) 「…スープ、美味しかったわ」

(#゚;;-゚) 「とっておきだもの。この星最後の、文明料理よ、美味しいわよ」

|゚ノ ^∀^) 「そうね」

(#゚;;-゚) 「そうよ」

|゚ノ ^∀^) 「……」

(#゚;;-゚) 「……」

言わずとも、わかる。
レモナの、美しい手の指先が、編んだ毛糸をほどくかのように、光の粒子の細い糸となって、それもやがて金色の霧となってゆく。
云わずとも、わかる。

(#゚;;-゚) 「ありがとう、レモナ」

けど、言うべきことはある。
言葉というものは、文字というものは、それは世界に作用する力であるのだから。
出力する、その事に意義がある。

(#゚;;-゚) 「おかげでわたしは、わたしらしい会話ができたわ。わたしらしく、あることができたわ。ありがとね、レモナ」

|゚ノ ^∀^) 「わたしこそ、ありがとう。本当にありがとう」

(#゚;;-゚) 「所謂あの世がどうなるものなのか知らないけれど、約束しましょうレモナ」

|゚ノ ^∀^) 「そうしましょう……ねえ、でぃ?」

(#゚;;-゚) 「なあに、レモナ」

|゚ノ ^∀^) 「いつか、もしも、奇跡のような確率で、あなたとわたしが再び構成されたなら…また、お友達になりましょうね」

(#゚;;-゚) 「もちろんよ。だってわたし達、たとえ星の屑になったとしても、わたし達がかつて友達だった
事実が存在するもの。大丈夫、ぜったい、ぜぇーったいに、またお友達になれるわよ」

|゚ノ ^∀^) 「たとえば惑星と衛星でも?」

(#゚;;-゚) 「たとえば水と油でも」

|゚ノ ^∀^) 「すてきなことね」

(#゚;;-゚) 「すてきなことよ。だってこの世界には、あなたが存在したんですもの」

|゚ノ ^∀^) 「…そうね、あなたに会えたもの…」

|゚ノ ^∀^) 「ほんとうに…………すてき…………………」

|゚ノ ^∀^)

(#゚;;-゚)

(#゚;;-゚)

(# ;;- )

それはまるで、わたしがくらす構造物に、当たり砕ける隕石のような。

金色の、空間に溶ける一瞬間の輝きを、美しいと。

わたしは最期に、そう想った。


ありがとうございました

よろしければ感想や批評など、お願いいたします。

おつおつ!今から読む!

やはりショボンは英雄だったか……乙
でぃの結末が幸せでよかった

でぃとレモナの関係いいなぁ……
ちょっと瞳が潤んできた

おつおつ!


自分には少し難しかったけど雰囲気が好きでした

投下します

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 思えば、彼は普通の人だった。
できた母ほど慈悲深くもなければ、よき父ほど厳しくもない。

甘く香る酒が好きで、そのくせ一杯飲んだら顔真っ赤。
私が彼と出会ったのも、とある酒場の席である。

――― 「 (´・ω・`) は世界を救って廻るようです 無重力ダッチワイフ扁 」 ―――

 その日。
私は久しぶりの連休を、酒の華で始めようと考えた。

永久凍土よこたわる北国の、まだまだ寒さ厳しい春の夕暮れ。
道路が除雪されていることに感謝しながら、通い慣れた雪の原っぱを意気揚々と歩いて、なじみの酒場の戸をくぐる。

小さな店だ。
客も少ないが、かえって静かで良い。

もう少し先にもBARやら何やらあるのだが、貧乏であるからだろう、洒落た店はどうにも据わりが悪いのだ。

(´・_ゝ・`) 「どうも、マスター」

私が軽い調子で挨拶をすると、長い髪を品良く結った見目麗しい女性店主が、花のような笑顔で迎えてくれる。
私がこの店を選ぶ最たる理由だ、というのは誤魔化しようがない。

いや、別に惚れたわけではない。
なんせ人妻だ。
他人の、何より大切な想いを掠めとろうとは、妄想で楽しみこそすれど実際的にどうこうしようとは、ならない。
というかできない。

私も、いいかげんに大人だ。
世間一般からすれば、そろそろ結婚をすすめられる時期だ。
現実というものを受け入れている。

ただ、他に客が居ない間くらい、マスターと語らったって良いだろう。
顔も知らない旦那様だって、赦してくれるに違いない。

私は酒と料理と、誰にでも優しそうな彼女の素晴らしい接客態度に、すっかり安らいでいた。

そんなときだ。

(´・ω・`) 「こんばんは」

見慣れぬ客がやってきた。

私よりもいくらか若い。
将来有望な青年といった風貌の彼を見るなり、マスターは私の時より甘い笑顔で迎えた。

むっ、とした。

いや、なにも、酷く嫉妬しただとか、そういうレベルではないのだが、独り者なせいだろう。
少し、ほんの一滴だけ、酒に渋味が混じったのだ。

(´・ω・`) 「はいこれ、お土産」

渡された小包を、しっかと受け取ったマスターは、注文も聞かずに酒を用意し。
彼は、さも当然のように注いで貰っていた。

(´・ω・`) 「うん、美味しい」

主に女性が飲むような甘口の酒を口にした彼が、何の気なしに呟いた言葉。

マスターはそれだけで、一層のとろけた笑顔になり、鼻歌交じりに調理を始めた。
尚彼は、一切注文していない。

流石にこうも露骨だと、私がもう少し若くてマスターをギラギラとした目で見ていたならば、いくらか寂しく思っただろう。

だが私とて最早大人だ。
人並みとは言い難いが、それなりに月日を積み重ねれば、マスターと青年の砂糖菓子みたいな間柄も
……まあ、微笑ましいだけである。

や、それはともかく。
出された料理を、安心しきった顔で食べ進める、温厚そうな彼には、どこか引き付けられるものがあった。

心底、幸せそうに噛みしめ、純粋な笑顔を自然に彼女へ向けるのだ。

なるほど、これは、待ち遠しくなるというもの。
少し温かくなってきた胸の内で、妙な納得を覚えていると、なんたることか。
私にも、注文してない料理が出てきた。


はて?


私が口を開く前に、マスターは、これが青年からの土産であることを説明してくれた。
美味しそうな山菜だ。
私は彼の方へと顔をやる。

(´・_ゝ・`) 「ありがとうございます」

(´・ω・`) 「いえいえ」

そんな、一瞬間の些細なやりとりが切っ掛けで。
すっかり月が昇った頃には、私達は隣同士に座り直して、酌み交わしていた。

(´・ω・`) 「そうですか、いやあ、大変ですね」

(´・_ゝ・`) 「やあやあ、まあね、でもまだマシな方ですからね」

これも彼の人柄故なのだろう、私は気付けば常日頃は決して表に出てこない、誰にも言えない事すらも、彼に話してしまったのだ。

(´・_ゝ・`) 「あははは…でもね、ショボンさん」

(´・ω・`) 「なんでしょう」

(´・_ゝ・`) 「わたしね、思うんです。わたしってば、夢がないなあ、と」

(´・ω・`) 「ほう」

若かりし頃の私は、まだみぬ世界に憧れを抱くことができた。

時間を持て余すことがなかった。

大地にあっては野を愛でて、家にあっては世を愛でた。

人に関わっていると時間を忘れて、喧嘩をしても時が解決してくれた。

気付けば相手を赦していた。

振り返ってみればなんてことのない、少なくともこの国ではありふれた青春時代。
昔、私は友人たちと見る月と叢雲に、痺れんばかりの充実感を覚えていたのだ。

(´・ω・`) 「つまり。つまり、あなたが言うのは」

(´・_ゝ・`) 「そう、わたしはねショボンさん。感性が、枯れちまったんです」

ほんの些細な…そう、何の気なしに微笑みかけられただけで墜とされるような、多感なわたしでは、ないのだ。

しかし私も大人だ。
それでも脚を動かし続けて、新しい趣味に金を費やしたり、昔の時分にやりたかったことをやってみたりして。

(´・_ゝ・`) 「でもたまに、ふっと、虚しくなるんです」

やるだけのことは、やった。
当時のわたしを責める気など毛頭無い。

ただ、必死に掴んでいた筈の手元に、温もりが残ってすらいない。

それが悲しい、男として、社会人として、生き物として。

悔やむことには飽きたが、虚しさまでは埋もれない。

(´・_ゝ・`) 「だけど、今日、こうしてあなたに会えて良かった」

(´・ω・`) 「え、それはまた、どうして?」

(´・_ゝ・`) 「あなたの、その無自覚な輝きに、私の眼も少し眩んだのです…あっ、勘違いしないでくださいね?何と言いますかその、そう」

(´・_ゝ・`) 「希望を、思い出しました。昔、私が盲目的に信じていた明日です」

酔っているからこそ口に出せる芝居がかった寝言で、マスターがクスリと笑った。

小さな子供に向ける眼だ。

つまり、そう。

どうだい、私にもまだ、若さが残っているだろう!


(´・ω・`) 「わたしも、あなたに会えて良かったですよ」

(´・_ゝ・`) 「あ、いや、あは、ありがとう、アハハハハ」

照れる私に、彼は神妙な笑みを返した。

(´・ω・`) 「ねえ、デミタスさん」

彼は、少しためらいがちに切り出した。

(´・ω・`) 「 人の感性というのはね、枯れ果てたように思えていても、その実ふとした時に芽吹くものだと…信じています」

(´・_ゝ・`) 「はい」

(´・ω・`) 「私は、私は自分で言うのもあれなんですがね、結構、退廃的な事ですとか。今生の別れですとかを、経験している方でして」

(´・_ゝ・`) 「それは、さぞかしお辛いでしょうに」

(´・ω・`) 「ええ、ですからそういう時などは、それはもう何と言いますか。心が枯れ果てるのです」

(´・_ゝ・`) 「しかしながら、大変に失礼だが。あなたの瞳は輝いています、ということは」

(´・ω・`) 「そうです、まったく私という者は現金な奴でしてね、スッカリ空っぽに渇いて、ただ死を待つような状態にあって尚…いえ、そうであるからこそ、ふとした事に感涙するのです」

綺麗事だ。
そう思った、反射的に、なんとなく。

恐らくは心が嫉妬したのだ、私よりも遥かに逞しそうな彼の心に。

(´・_ゝ・`) 「ふとした事に、ねえ…まあ、あなたはそうなのでしょうね」

我ながら嫌な言い方。
今でも思い返すたび、頭を抱えたくなる。
ああ、私ってほんと馬鹿。

(´・ω・`) 「いや、人間は本来、枯れて咲く花を、実の成る夢を備えていると
…それこそが人間の心という構造の、可能性ではないのかと。信じてみたいのです」

SF小説のタイトル『死して咲く花、実のある種』を捩ったような言い回し。

植物を引き合いに出して神秘的に捉える視点。

宗教だ、私は思った。

(´・_ゝ・`) 「わかりません」

私は最早、マスターが居ることすらも忘れて、ただ彼の心を見ようとしていた。

(´・_ゝ・`) 「わかりません、私には。私は半端者ですから、渇れたの何だのいっても、人並みだ。あなたほどではない」

腐った瞳で、恥部をさらせと舐め回していた。
自分が嫌になっているからこそ、他人の嫌な部分を探す私に、彼は予想以上のサービスでこたえた。

(´・_ゝ・`) 「ねえ、良ければ聞かせてもらえませんか?その時を。あなたの涙を誘ったものを、です」

(´・ω・`) 「かまいませんよ」

(´・_ゝ・`) 「…えっ」

(´・ω・`) 「というか、是非、見てください」

酒場で初めて頭が真っ白になる理由が、まさか酒でなく彼だとは、誰が予測できようか。

(´・_ゝ・`) 「え、あの、見る…とは」

(´・ω・`) 「文字の通りです」

彼はマスターに気安く告げた。

(´・ω・`) 「ちょっと、出てきますね」

マスターは全て承知と言わんばかりに頷いた。

(´・_ゝ・`) 「あの、なにを」

(´・ω・`) 「ついてきて、どうぞ」

彼に倣って店を出て。
そこで私の現実は震えた。

(´・_ゝ・`) 「……どこだ」

(´・ω・`) 「綺麗なところでしょう」

うんざりするほど馴れ親しんだ雪景色はどこへやら。

私が今、認識しているのは一面宝石のように輝く固い地面。

岩肌といった方が言いかもしれない。

ゴツゴツとした荒い大地はティアラなど目じゃないくらいに、どこまで見ても、どこを見ても美しい。

(´・_ゝ・`) 「なんですか、これは」

(´・ω・`) 「あなたが今見ている景色は、つい最近、私が作った地獄です」

混乱する頭、しかし不気味なほど裏腹に、彼の言葉はすんなり受け入れることができた。

今にして思えば、彼にナニかサレタのだろう。

(´・_ゝ・`) 「この美しさを、地獄と?」

(´・ω・`) 「ええ、だってこれ、ぜんぶ生き物の死体ですから」

ぽかん、とした。
そうとしか表現ができない。

(´・_ゝ・`) 「………はい?」

(´・ω・`) 「この星に住んでいた生物の、成の果てがこの、地表を埋め尽くす輝きです」

(´・_ゝ・`) 「意味がわかりません」

(´・ω・`) 「そうでしょうね」

彼がそう言うと、私の隣に人間とよくにた何かが現れた。

(´・_ゝ・`) 「ホログラムですか」

(´・ω・`) 「まあ、そんなところです。上をご覧ください」

次に現れたのは、満天の星空を塗り潰す巨大な影。

フネだ、何故だか解る。

そうだ、私は脳髄に走った電撃と共に思い出す。
若かりし頃夢中になれていたSF作品に、あのような存在があった。
伝説の宇宙海賊と共にある、あまりに強大な海賊船。

しかし、見上げるフネからは、不思議と怖い感じがしなかった。
むしろ、優しい母のような包容力すらをも感じた。

(´・_ゝ・`) 「あれは」

(´・ω・`) 「ハインという名前の、まあ、要するに宇宙船です」

(´・_ゝ・`) 「あれに、乗っていたんですか」

(´・ω・`) 「そうです、なにせ私の宇宙船ですから」

その宇宙船が、痛いほどの強い光を放つ。
すると人間らしきものは、形容しがたい苦悶の表情と共に、ゆっくりと体が溶け落ちて、最後には綺麗に輝く塊と化した。

(´・ω・`) 「私がやりました。やれと、命じた」

またもすんなりと信じた私は、スッカリ醒めていながら極度に混乱する頭で訊ねた。

(´・_ゝ・`) 「…どうして、こんな…」

(´・ω・`) 「…あなたが立っている星の生き物と、私達は、秘密裏に生存競争をしていたのです」

(´・_ゝ・`) 「……アッ!」

思い当たる事はあった。
昔ニュースでチラッと、国際共同の宇宙開発事業が、危機に直面したとかナントカ。

(´・ω・`) 「大衆の多くに興味を持たせず、好奇心の強いものも情報を得られない、そうやってひっそりと行っていたんです」


(´・_ゝ・`) 「そんな!だってそれは…」

そう、本当ならばそれは人類史に刻まれるべき大発見であり、大衆に広く知らしめられるべき。
私は単純にそう考えた。

(´・ω・`) 「相手が対等か、下等ならばそうしたのかもしれません。でもそうじゃなかった」

(´・_ゝ・`) 「と、言うと?」

彼の話し方は、いちいち回りくどくて、好奇心に駆られた私は焦れったさを感じていた。
だからシンプルに続きを促す。

(´・ω・`) 「発見された異星体は、最初、人類と対等な存在と見られていた。が、いざ宇宙船で出向いてコミニュケーションを試みると、人類など遥かに越えた知性を備えていましてね」

(´・_ゝ・`) 「 ほう」

(´・ω・`) 「 異星体は人類への理解を深めるにつれ、敵対的になっていったんです。互いの進出する先で競合してしまうこと、
例え手を取り合ったとしても、直ぐに人類が足手まといになるであろうこと。大きくいって二つの理由で、異星体は人類の排除を選びました」

(´・ω・`) 「 なまじっか、コミニュケーションをとれる程度には近しい知的生命体同士だったのが、いけなかった」

(´・_ゝ・`) 「 では、相当に被害が出たのでしょう、なにせ相手は私達よりも頭が良いのだから」

(´・ω・`) 「いや、異星体は攻撃を控え、表面的には理性的に振る舞いました。コミュニケーションをとるため出向いていた人々に、地球へ帰るよう言い渡し、次いで降伏勧告をしたのです」

(´・_ゝ・`) 「 映画みたく、いきなり攻撃は、しなかったんですね」

(´・ω・`) 「 ええ。しかし宇宙船には、いわば毒が仕込まれていた。私とハインで処理をしなければ、地球人類は滅んでいたでしょう」

(´・_ゝ・`) 「フムン、周到だ」

さらりと恐ろしい事を言う。
しかし私が目にしている空間は、それ以上に狂気だ。

(´・ω・`) 「 勧告の内容も、異星体の利益のみを追求していた。人類は交渉を試みたのですが
…異星体は自らが優位であることを良く知っていて、取り付く島もなかったそうです」

(´・_ゝ・`) 「 それは、そうでしょうなあ…」

(´・ω・`) 「 このままでは人類は敗北するし、異星体のレベルに追い付くには時間が足りない。選択肢は限られていました」

私は改めて、周囲を見渡した。

地元の夜空も綺麗だが、比べ物にならないほどの神秘的な夜天、踏むのが申し訳ない美しさと哀れさの大地。

なんたる皮肉か。

(´・ω・`) 「 そこで、ハインです。彼女は、話すと長い事情があって、人類も異星体も問題にならないほどに、強大な能力を有しています。そしてこの世界で唯一、私は彼女に命令できる」

(´・_ゝ・`) 「 ははぁ…」

私は、やけに納得した。
彼の語りを全て信じるとして…未知との遭遇が悲しい結末を迎えた事以上に、人類はおろか更に優れた種族を滅却せしめる戦力を、たった一人が握っている。
そんなこと、公にできるわけがない。

(´・ω・`) 「…異星体は、素晴らしい文明社会を築いていました。それでいて備えることを怠らない、優秀な種族です」

(´・_ゝ・`) 「……」

(´・ω・`) 「 人類と殆ど変わらない姿で、同じ様に喜怒哀楽を持ち、同族を慈しみ、我が子を幸せな笑顔で抱き締める…人間然としていました」

(´・ω・`) 「 いや、異星体だけじゃない。この星は豊かな生態系で満たされていて、僕が下すまで、地球では決して見れないような環境の中で不思議な生物たちが、
精一杯、生きていた。面白いですよ、空飛ぶ花みたいな物や、金属のような植物に近い物、海の底から雲まで聳え立つキノコらしき物なんてものもありましてね」

私の目の前に写し出されては消えていく、在りし日の星の記録は、どれもこれも好奇心を刺激した。

(´・ω・`) 「 連綿と続いた歴史があったんです。素晴らしく奇跡的な歴史です」

彼は大地を優しく撫でた。
私たちの足元は、ただゴツゴツとしている。

(´・_ゝ・`) 「 でも」

なんだか、彼が不憫に思えた私は、正直にのべる。

(´・_ゝ・`) 「 あなたは、私達を守ってくれたわけでしょう。それは、正しい事だ」

(´・ω・`)

(´・_ゝ・`)  「少なくとも私は感謝する、ありがとう、だから……そんな虚しい顔を、しないでください」

誰だって、命の恩人に感謝くらいはするだろう、破滅願望でもない限り。

べつに、心の底から彼の話を信じているわけでない。
だが、もしも万が一、全て本当だとしたら。

礼を欠くよりは、恥をかいた方がましだ、そう思ったから。

私は彼の話が真実だという前提で、感謝の言葉を口にした。

(´・ω・`) 「……」

(´・ω・`) 「…ありがとうございます」

彼はわざとらしく、ニカッと笑った。
白々しい、下手な表情。

(´・ω・`) 「実はこの事について、面と向かって、ありがとう、などと言われたのは初めてなんですよ」

(´・_ゝ・`) 「そうなので?」

(´・ω・`) 「この星を滅ぼすや、私とハインは地球に近寄るなと言われましてね。かつての仲間から、攻撃されそうになったこともあります」

(´・_ゝ・`) 「……」

(´・ω・`) 「だから今日は、お忍びで来ていたんですよ、あははは…」

私は何も言えなかった。

彼も、受け入れたような顔をしていた。

(´・ω・`) 「まあ気持ちは解ります。怖いし、厄介だ、しかたありません。けれど、どうしても地球に帰ってきたかった」

私がなぜと口を開く前に、彼が言った。
戻りましょうか、と。

(´・_ゝ・`) 「アッ!」

そして気がつけば私達は、元いた席にかけていた。
狐につままれる、狸にばかされる、なんて言葉を使いたくなったのは初めてだ。
ましてや酔いの覚めた頭で、など。

(´・ω・`) 「さあ、飲み直しましょう。スッカリ醒めてしまったでしょ?」

(´・_ゝ・`) 「……」

色々と聞きたい、言いたい事はある。
だが、そんな手品の種明かしをせがむようなことをするよりも、アルコールだ、アルコール。

そう、自分に言い聞かせて、注がれた酒をあおり、彼にも酒を注ぎ返す。

(´・ω・`) 「 いやあ、まったく酒がうまい」

(´・_ゝ・`) 「ほんと」

つとめて他愛もない会話をしながら、マスターの料理と合わせて飲む酒は、カサカサの私によくしみた。

(´・ω・`)  「それにしても…あなたは、本当に優しい方だ」

(´・_ゝ・`)  「え?」

(´・ω・`)  「あんなモノを見せたというのに、全くもって普通だ。ごく普通に、隣で飲んでくれる」

(´・_ゝ・`)  「そんなこと…私が大人だから、かもしれませんよ?」

(´・ω・`)  「私の知る大人は、同じものをみたならば…ムッ」

ゲップを噛み殺したらしい彼は、酔いによる痒さか、うなじを掻きながら続ける。

(´・ω・`)  「…酔いが。覚めているうちに、無難な去り際を探すのです」

(´・_ゝ・`)  「…ムゥ」

(´・ω・`)  「あなたは、違う。…私の、やらかした話をまともに聞いてくれるのは…この世では、身内しかいなかった」

申し訳ないのやら嬉しいのやら、なんとも複雑な表情の彼。

恐らくは、過去にも同じようなことをしたのだろうと、勝手に想像した私は、
再び廻ってきたアルコールの力を使い、ちょっとばかし気恥ずかしい本音をのべた。

(´・_ゝ・`)  「私は…私は、私はね。久しぶりに、こう…ムズムズしたんです。好奇心が湧き、知性を刺激された。若い自分が、SFというやつに夢中だった事を、思い出せたんですよ」

(´・_ゝ・`)  「たとえあれが、夢幻だったとして、心震えたことに変わりはない。来る日も来る日も、虚無感と孤独感ばかりだった私の夜に、あなたはトンでもない刺激を与えてくれた」

(´・_ゝ・`)  「私は、嬉しい」

(´・ω・`) 「…それは、良かった」

(´・_ゝ・`)  「さあ、さ。あなたこそ飲みましょう。私は…」

私は、彼の過去について言えるような言葉をろくすっぽ、持たない。

私に彼を理解するのはきっとできない。

過去の真偽を確かめるなど。

何が正しい行いだなんて、自分の道ですら決められずにいる私は、気の利いた言葉を持たない。

(´・_ゝ・`)  「私は、あなたに酒をつぐしか、できないですけどね」

それは、充分なことです、と。
彼は笑った。

(´・ω・`)  「ああ、できることならば、あなたにあの人を紹介したかった」

(´・_ゝ・`)  「あの人?」

(´・ω・`)  「ここではない、遠い遠い場所にある酒場に、いつもいる人がね。今のあなたみたいに優しく、話を、聞いてくれるのです…きっとウマがあうだろうに」

その、某を始まりとして、彼は私にポロポロと、話を聞かせてくれた。

悲喜こもごもな、夢物語のような彼の人生譚。

そのすべてを疑うことなく、注ぎ注がれ。

明日など知らぬとばかりに、酒は進んだ。

――――――

――――――

――――――


(´・ω・`) 「あ゛あ゛〜飲んだ〜」

(´・_ゝ・`) 「 ぬああああ…そろそろ、帰りま、しょうか」

(´・ω・`) 「ぞう゛じま゛じょ゛う゛」

閉店までなんだかんだと飲み続け、グデングデンに酔っ払った私達は、心地好さと気持ち悪さを手土産に、店を出た。
吐くほどでは無かったのが幸いである。

(´・ω・`)  「あー、あー…今日はありがとうございました」

(´・_ゝ・`) 「いや、あぁ、こちらこそ、えぇ…」

(´・ω・`) 「最後に〜、あなたに〜、お礼が〜、あり〜」

(´・_ゝ・`) 「 いやいや、えぇ、そんな、えぇ」

(´・ω・`) 「 あなたの〜、毎日に〜、潤いですよ〜、あげますよ〜」

(´・_ゝ・`) 「あぁ、うるおい、はい」

(´・ω・`) 「ばっしゃ〜んと、こうね、色水がね〜」

(´・_ゝ・`) 「うん、えぇ、色水がね、はい」

(´・ω・`) 「いい加減寿命な〜、私にかわりまして〜、妻の子で〜、世界をバーン!」

(´・_ゝ・`) 「えぇ、なるほろ、世界を、はい」

(´・ω・`) 「では、さようならー」

(´・_ゝ・`) 「はい、あぁ、さようなら」

生返事で別れたことは、未だに悔やむ。
当時の彼は、外見に反して本当に老いていたのだから。

そんなことは露とも知らず、私は無事に家へとたどり着き、休日を言い訳にして風呂にも入らず眠りこけた。

そして日が高々と昇る、朝と言うより午前と言った方がしっくりくる時間帯に目覚めた私に、電撃が走った。


从'ー'从 「おはようございます」

(´・_ゝ・`) 「…………え、誰?」

理想的容姿の女性が家に居た。

いや、少女といっても良い。

とにかく、あどけなさとあでやかさを併せ持つ絶妙な年頃の、全く見知らぬ人物が。

今時の同じ頃の娘達と比べて随分露出が少ない出で立ちで、私の朝を彩ったのである。

从'ー'从  「初めまして。わたしは、ショボン様が妻、兼、専用航宙母艦ハイン様により製造された、あなた様専用ダッチワイフです」

私は頬をつねった。

現実ですよと笑われた。

そんなバカな、私も笑った。

ところがどっこい、これが現実。

…それからの日々は、とても充実していた。
良くも悪くも。

从'ー'从  「ねえ、ほら、しましょうよ〜」

(´・_ゝ・`)  「…そんな下着、どこで買った」

从'ー'从  「通販。にあうでしょ〜」

(´・_ゝ・`)  「ああ、とても…来なさい」

从'ー'从 「は〜い。ふふふ…」

彼女は…ワタナベは、私が最早君は人間だろうと言う度に、自らを人間ではなくダッチワイフと断言した。

どこまでみても人間らしく、どこかしらが人間らしくない、生身のアンドロイドとでもいうべきワタナベ。

出会った当初こそ、彼は何を考えて私にワタナベをやったのだと混乱したが、ワタナベが伝えた彼の志に心うたれて、受け入れた。


…たとえ、ワタナベが厳密に言うところの人間でないにせよ。

从'ー'从  「旦那様、旦那様!」

(´・_ゝ・`)  「どうした、そんなに慌てて」

从'ー'从  「ついに来ました!ハイン様が観測していた宇宙怪獣の大群です!」

(´・_ゝ・`)  「そうか…彼の遺志、継がねばな」

何度もワタナベを使ううち、人間でないものを抱くという本能的な忌避感や虚無感など薄れきり、理想を体現する彼女との日々は最高に輝いた。

しかし、そう長くもなく。
遥か彼方より地球へとやって来た、想像を超える外敵は、彼がワタナベを通して私に伝えていたとおりに表れた。

私は慣れ親しんだ一般市民という立場を捨て去って、ワタナベと共に、宇宙怪獣に立ち向かう。

既に無理して数百年、死にたくとも死ななかった彼が、最期に、ほんの気紛れに遺していった人智を超える戦闘マシーンと、その操り手に変貌して。


宇宙空間戦闘対応型自己可変能力搭載ダッチワイフ、パーソナルネーム・ワタナベ。


性病から外なる宇宙の神にすらも対処可能。

そんな強すぎる力が、私只ひとりに従うというのは、なるほど言い表せない。

ショボンの偉大さが、嫌というほど身に染みた。

(´・_ゝ・`)  「戦闘形態のキミの中にいながら、人間体のキミも隣にいるというのは…どうにも、あれだね、馴れないね」

从'ー'从  「中…ナカ…えへへ〜」

(´・_ゝ・`)  「ウッソだろキミ、今さらこんなんで妄想トリップすんのかよ…コラ、ちょっと、ねえ後にして始まるから、すぐ戦闘だから後にしてってば、ねえ」

从'ー'从「…あっ…んっ…」

(´・_ゝ・`)  「宇宙空間で怪獣目の前に公開オナニーとか、親の顔が見てみたいわぁ…あ、見た…」

良くも悪くも、私は刺激的な人生を謳歌した。

彼と出会う以前の私が、どれだけ憂鬱だったのかなど、思い出す暇もなく。

年甲斐もなく、駆け抜けた。

(´・_ゝ・`) 「ワタナベェーーーーーーッッッ!!」

(´・_ゝ・`)  「起動ォ!!!」

从'ー'从  「これやりたいがために、わたしの両手を武器にしたわけね…ふ〜ん、へ〜え…」

(´・_ゝ・`)  「ガイガンに改名してないからセーフ」

気がつけば、私は、いつかの彼と同じようにやたらと長生きしていた。
彼女の能力によるものだ、ワタナベにそんな事ができたのは驚いたが、宇宙船と子をもうけた彼が遺した娘、そう思えば納得できた。

けれども流石に、限界はあって。

私も、ゴールしようと決めた。

……そういう、わけで。

(´・_ゝ・`)  《そういう わけで  あとは たのむ》

( ・∀・) 「…じいさん」

(´・_ゝ・`)  《おまえたちは つよいこだ  じまんの まごたちだ》

( ・∀・) 「あたりまえだろ、じいさんの息子の息子なんだぜ。大丈夫だ」

(´・_ゝ・`)  《ふふふっ  はっはっはっはっ》

かつて、私が若い頃に、睡眠時間を平気で削って読みふけった、SF作品のような発展を遂げた人類。

もちろん、嫌な面もある。

が、それでも。
どうしようもなく醜悪なクズも、どこまでも美しい聖母も、人類が人類であることに欠片でも誇りを持てる程度には、なれたのだ。

(´・_ゝ・`)  《そうだな そうだった》

( ・∀・) 「そうだろう、そうだろう」

……不意に、雪の降り積もる彼の地で、美しいマスターの居る店で、彼と飲んだ酒の香がよみがえる。

つまんだ料理が、流れる音楽が、漂う雰囲気が。

彼の、声が。

今こそ、今の私こそ。

あの夜の言葉の重さが、良く解る。



(´^_ゝ^`)  《ありがとう》


 終

以上です
30を超えてしまい、ごめんなさい

感想、批評など、お願いします

おつー!いい笑顔だ

705いやあ名無しってほんとにいいもんですねNGNG
>>704
ありがとうございます

……タイトルで誤字っていることに気が付きました

ま、いっか!

下げ忘れ

682の、小説タイトルも間違えています

実のある夢です

神林長平ファンの方、特に申し訳ないです

乙、今回も面白かった

ああ……いい……今までで一番いい……

なんでエロ足りスレに投下しないのかと思ってたが
エロ抜きで普通にいい話なんだもんな、納得したわ

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