( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです [転載禁止]©2ch.net

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         のんびりブーン系について語ったり、規制の避難地に。
         当館でブーン系を楽しむのはいかがですか?

( ^ω^)ブーン系小説シベリア図書館のようです★52
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(´・_ゝ・`)  「さあ、さ。あなたこそ飲みましょう。私は…」

私は、彼の過去について言えるような言葉をろくすっぽ、持たない。

私に彼を理解するのはきっとできない。

過去の真偽を確かめるなど。

何が正しい行いだなんて、自分の道ですら決められずにいる私は、気の利いた言葉を持たない。

(´・_ゝ・`)  「私は、あなたに酒をつぐしか、できないですけどね」

それは、充分なことです、と。
彼は笑った。

(´・ω・`)  「ああ、できることならば、あなたにあの人を紹介したかった」

(´・_ゝ・`)  「あの人?」

(´・ω・`)  「ここではない、遠い遠い場所にある酒場に、いつもいる人がね。今のあなたみたいに優しく、話を、聞いてくれるのです…きっとウマがあうだろうに」

その、某を始まりとして、彼は私にポロポロと、話を聞かせてくれた。

悲喜こもごもな、夢物語のような彼の人生譚。

そのすべてを疑うことなく、注ぎ注がれ。

明日など知らぬとばかりに、酒は進んだ。

――――――

――――――

――――――


(´・ω・`) 「あ゛あ゛〜飲んだ〜」

(´・_ゝ・`) 「 ぬああああ…そろそろ、帰りま、しょうか」

(´・ω・`) 「ぞう゛じま゛じょ゛う゛」

閉店までなんだかんだと飲み続け、グデングデンに酔っ払った私達は、心地好さと気持ち悪さを手土産に、店を出た。
吐くほどでは無かったのが幸いである。

(´・ω・`)  「あー、あー…今日はありがとうございました」

(´・_ゝ・`) 「いや、あぁ、こちらこそ、えぇ…」

(´・ω・`) 「最後に〜、あなたに〜、お礼が〜、あり〜」

(´・_ゝ・`) 「 いやいや、えぇ、そんな、えぇ」

(´・ω・`) 「 あなたの〜、毎日に〜、潤いですよ〜、あげますよ〜」

(´・_ゝ・`) 「あぁ、うるおい、はい」

(´・ω・`) 「ばっしゃ〜んと、こうね、色水がね〜」

(´・_ゝ・`) 「うん、えぇ、色水がね、はい」

(´・ω・`) 「いい加減寿命な〜、私にかわりまして〜、妻の子で〜、世界をバーン!」

(´・_ゝ・`) 「えぇ、なるほろ、世界を、はい」

(´・ω・`) 「では、さようならー」

(´・_ゝ・`) 「はい、あぁ、さようなら」

生返事で別れたことは、未だに悔やむ。
当時の彼は、外見に反して本当に老いていたのだから。

そんなことは露とも知らず、私は無事に家へとたどり着き、休日を言い訳にして風呂にも入らず眠りこけた。

そして日が高々と昇る、朝と言うより午前と言った方がしっくりくる時間帯に目覚めた私に、電撃が走った。


从'ー'从 「おはようございます」

(´・_ゝ・`) 「…………え、誰?」

理想的容姿の女性が家に居た。

いや、少女といっても良い。

とにかく、あどけなさとあでやかさを併せ持つ絶妙な年頃の、全く見知らぬ人物が。

今時の同じ頃の娘達と比べて随分露出が少ない出で立ちで、私の朝を彩ったのである。

从'ー'从  「初めまして。わたしは、ショボン様が妻、兼、専用航宙母艦ハイン様により製造された、あなた様専用ダッチワイフです」

私は頬をつねった。

現実ですよと笑われた。

そんなバカな、私も笑った。

ところがどっこい、これが現実。

…それからの日々は、とても充実していた。
良くも悪くも。

从'ー'从  「ねえ、ほら、しましょうよ〜」

(´・_ゝ・`)  「…そんな下着、どこで買った」

从'ー'从  「通販。にあうでしょ〜」

(´・_ゝ・`)  「ああ、とても…来なさい」

从'ー'从 「は〜い。ふふふ…」

彼女は…ワタナベは、私が最早君は人間だろうと言う度に、自らを人間ではなくダッチワイフと断言した。

どこまでみても人間らしく、どこかしらが人間らしくない、生身のアンドロイドとでもいうべきワタナベ。

出会った当初こそ、彼は何を考えて私にワタナベをやったのだと混乱したが、ワタナベが伝えた彼の志に心うたれて、受け入れた。


…たとえ、ワタナベが厳密に言うところの人間でないにせよ。

从'ー'从  「旦那様、旦那様!」

(´・_ゝ・`)  「どうした、そんなに慌てて」

从'ー'从  「ついに来ました!ハイン様が観測していた宇宙怪獣の大群です!」

(´・_ゝ・`)  「そうか…彼の遺志、継がねばな」

何度もワタナベを使ううち、人間でないものを抱くという本能的な忌避感や虚無感など薄れきり、理想を体現する彼女との日々は最高に輝いた。

しかし、そう長くもなく。
遥か彼方より地球へとやって来た、想像を超える外敵は、彼がワタナベを通して私に伝えていたとおりに表れた。

私は慣れ親しんだ一般市民という立場を捨て去って、ワタナベと共に、宇宙怪獣に立ち向かう。

既に無理して数百年、死にたくとも死ななかった彼が、最期に、ほんの気紛れに遺していった人智を超える戦闘マシーンと、その操り手に変貌して。


宇宙空間戦闘対応型自己可変能力搭載ダッチワイフ、パーソナルネーム・ワタナベ。


性病から外なる宇宙の神にすらも対処可能。

そんな強すぎる力が、私只ひとりに従うというのは、なるほど言い表せない。

ショボンの偉大さが、嫌というほど身に染みた。

(´・_ゝ・`)  「戦闘形態のキミの中にいながら、人間体のキミも隣にいるというのは…どうにも、あれだね、馴れないね」

从'ー'从  「中…ナカ…えへへ〜」

(´・_ゝ・`)  「ウッソだろキミ、今さらこんなんで妄想トリップすんのかよ…コラ、ちょっと、ねえ後にして始まるから、すぐ戦闘だから後にしてってば、ねえ」

从'ー'从「…あっ…んっ…」

(´・_ゝ・`)  「宇宙空間で怪獣目の前に公開オナニーとか、親の顔が見てみたいわぁ…あ、見た…」

良くも悪くも、私は刺激的な人生を謳歌した。

彼と出会う以前の私が、どれだけ憂鬱だったのかなど、思い出す暇もなく。

年甲斐もなく、駆け抜けた。

(´・_ゝ・`) 「ワタナベェーーーーーーッッッ!!」

(´・_ゝ・`)  「起動ォ!!!」

从'ー'从  「これやりたいがために、わたしの両手を武器にしたわけね…ふ〜ん、へ〜え…」

(´・_ゝ・`)  「ガイガンに改名してないからセーフ」

気がつけば、私は、いつかの彼と同じようにやたらと長生きしていた。
彼女の能力によるものだ、ワタナベにそんな事ができたのは驚いたが、宇宙船と子をもうけた彼が遺した娘、そう思えば納得できた。

けれども流石に、限界はあって。

私も、ゴールしようと決めた。

……そういう、わけで。

(´・_ゝ・`)  《そういう わけで  あとは たのむ》

( ・∀・) 「…じいさん」

(´・_ゝ・`)  《おまえたちは つよいこだ  じまんの まごたちだ》

( ・∀・) 「あたりまえだろ、じいさんの息子の息子なんだぜ。大丈夫だ」

(´・_ゝ・`)  《ふふふっ  はっはっはっはっ》

かつて、私が若い頃に、睡眠時間を平気で削って読みふけった、SF作品のような発展を遂げた人類。

もちろん、嫌な面もある。

が、それでも。
どうしようもなく醜悪なクズも、どこまでも美しい聖母も、人類が人類であることに欠片でも誇りを持てる程度には、なれたのだ。

(´・_ゝ・`)  《そうだな そうだった》

( ・∀・) 「そうだろう、そうだろう」

……不意に、雪の降り積もる彼の地で、美しいマスターの居る店で、彼と飲んだ酒の香がよみがえる。

つまんだ料理が、流れる音楽が、漂う雰囲気が。

彼の、声が。

今こそ、今の私こそ。

あの夜の言葉の重さが、良く解る。



(´^_ゝ^`)  《ありがとう》


 終

以上です
30を超えてしまい、ごめんなさい

感想、批評など、お願いします

おつー!いい笑顔だ

705いやあ名無しってほんとにいいもんですねNGNG
>>704
ありがとうございます

……タイトルで誤字っていることに気が付きました

ま、いっか!

下げ忘れ

682の、小説タイトルも間違えています

実のある夢です

神林長平ファンの方、特に申し訳ないです

乙、今回も面白かった

ああ……いい……今までで一番いい……

なんでエロ足りスレに投下しないのかと思ってたが
エロ抜きで普通にいい話なんだもんな、納得したわ

投下

 
「 おっさん日和のようです 」

秋である。

最果ての地、シベリアにも秋はあり、今年の今日も空が高い。


去年よりも高く、幼い頃よりは近くに感じる夕映えに目を奪われた、大切な女性と住んでるアパートへの帰り道。

図書館勤めを終えて独り歩く僕は、年甲斐もなく寂寥感に見舞われた。

( ^ω^) 「ただいまー」

ξ゚听)ξ 「あら、お帰りなさい。今日は早いのね」

けれども僕は、いい歳だ。

いや世間的にはマダマダ若いのだけれども、感覚的にはオッサンだ。

だから僕は、多感で青い自分では叶わなかったやりかたで、寒い季節に特有の寂しさを上書きできるのだ。

ドヤッ。

…しかしながらに、それでも記憶は正直で、書斎という名の狭い部屋に本棚を
無理矢理並べ、小さい机に置かれたパソコンへとアイディアを詰め込む彼女に。

ξ゚听)ξ 「なに?じろじろと」

僕は、ペンを走らせる父の姿を幻視した。

( ^ω^) 「いや、なんでもないよ」

失礼な話だと笑うだろうか?
確かに美人な彼女と、髪が薄くて少しだけ丸みを帯びた
オッサンを重ねてしまうのは、弁解の余地なくギロチンだ。

が、僕にとっては笑えない。

そんな冗談では誤魔化せないほど、シリアスなんだ。

ξ゚听)ξ 「そう…ねえ、あなた。夕食の後に少し飲みましょうか」

( ^ω^) 「それは、また」

慈愛に満ちた目を向けながら、彼女は僕の服を取り去っていった。

家でくつろぐための、一通りの事をすませた僕は暖かい色の照明にホッとしながら、注がれたグラスを傾ける。

ξ゚听)ξ 「随分と、疲れているように見えたわ」

締め切りが近いだろうに、僕の隣で頭を撫でてくる彼女は、囁くように言った。

敵わない、僕は思う。

結局のところ、彼女の母性に勝るプライドなど、僕には無いのである。

( ^ω^) 「特にそうという、わけではないんだお。ただね、まあ少しね、思い出したんだ」

言葉にするには難しすぎる、僕の中の郷愁。

休日に見た、窓の外の流れる雲、まだ休日が正しく非日常に思えた幼い日。

たまたま僕と父以外は皆出掛けていて、その日に食べた朝食は、まだなれてなかった苺ジャムのトースト。

いつも父しか飲まないコーヒーが、パンという物に合うことを初めて強く意識して、ちょっぴり大人に近付けた気がした。

( ^ω^) 「僕は、もう、スッカリ大人なんだよなあ」

まだ、精神と肉体が健康で、家族揃って老後を迎えられると信じていたであろう父を。

あんなにも頼もしく感じていた当時の彼を。

ペンと絵筆を走らせることが好きだった男を、思い出したから。

僕は、今なら父の息子だと、はっきり言ってあげる程度の気遣いが出来るようになった事を、本当に今更ながら確かめたいと思ったのだ。

狭苦しい書斎に父の部屋、暖かな色の食卓に、離婚した父が再び暮らした祖母の家を、思い出して。

ついでに若かりし頃の記憶が甦ったのだ。

たくさん後悔があった。

言いたいことを云えなかった。

言うべきことがわからなかった。

祖母の家に行く度に、世話焼きの祖母と、言葉少なくお小遣いばかりを渡してくる父。

煩わしいと感じながらも、何故だか自転車をこいで遊びに行く自分の心が、理解できなかった。

いや今でも理解と言うには程遠いが、しかしこうして、素直に彼女に甘えられる程度には、僕も成長できたのだ。

ξ゚听)ξ 「そうね、そうでなくちゃ、私が困るわよ」

(; ^ω^) 「ごもっともです、はい」

好奇心は猫を殺すというが、人は時に、考えすぎて人を殺す。

かつて、互いを許したはずの女性に対して、僕は素直に欲望をぶつけることができなかった。

その人が、僕と付き合う前は何度も身体を売っていた、それを知った上で僕は互いに好きだと知ったのに。

僕は心の何処かで納得できなくて、見ず知らずのオッサン達に嫉妬して、無意味な理想を引き摺って
…ついぞ、真に赦しあう事が出来なかった。

今では、彼女が生きているのかどうかすら、僕は知らない。

( ^ω^) 「……」

ξ゚听)ξ 「……」

かつて、自殺未遂を繰り返した挙げ句に困窮した幼馴染みを救いたいと、人生を注ぎ込もうとした。

けれども憧憬は欲に呑まれていて。

金を渡して、気が付けば当然のように見返りを求めた。

僕は理想をドブにやった程度で大人になったと実感した、ような気になっていたのだ。

相手がどうあれ、救いたいのだから救おうと。

倫理的にどうであれ、対価を払うのだから少し我儘やっても良いだろうと。

だが当時、幼馴染みを救うにはあまりにも使える桁が少なかった。

そもそも僕の給料は、兄姉と協力して支えていた、共に暮らす母と妹の為に大半を注ぎ込んでいたのだ。

僕の手元に有る金が、渡せる額があまりに少ないことに気付いたのは、幼馴染みがいよいよ追い詰められた頃。

人間ひとりの人生に食い込み共に歩むという事が、経済的にも社会的にも如何に大変なのかという事を知り、僕は母と父の偉大さを噛み締めて。

妹を言い訳に諦めた僕は、楽になりたかった幼馴染みの最後の文字を、使い古してボロボロな携帯電話で受け取った。

もうしばらく、お互いに耐えることができていれば違った未来にできた事を知った時、僕は本当の意味で大人になろうと誓った。

( ^ω^) 「…いやまったく、情けない男で申し訳無い」

ξ゚听)ξ 「ええ、ほんと」

とっくに乗り越えた過去に、してやられた情けない僕の髪を、細く柔らかい指がすり抜ける。

何も言わずに癒してくれる彼女の手を、そっと握りながら酒を飲む。

( ^ω^) 「ありがとう、ツン」

ξ^竸)ξ 「ふふふ、どういたしまして」


僕は一人の大人として、いつまでも甘えるわけにはいかない。

グラスを一息に空にして、火照る身体に湯を浴びせ、きちんと寝るのだった。

――――――――

――――――――

――――――――

季節は秋である。

読書の秋ということで、大いに賑わう図書館、だったら良いなというのは嘘偽り無い本音であるし、
事実かつてはそうだったのだが、しかし現実は儘ならないものである。

書店などと違い利益が重視されない我等が職場であるが、賑わいは恋しくなるし、
しかし朝の清謐な静けさも愛しいので、閑散としているのが嫌いかと言われるとそうでもない。

我ながら儘ならないものである。

(-@∀@) 「おはようございます」

( ,_ノ` ) 「おはよう館長」

('A`) 「あれ館長、今朝は早いな」

( ^ω^) 「おはようだお、みんなこそ早いじゃん」

ハハ ロ -ロ)ハ  「おはようございます…すみません、遅くなったみたいで」

( ^ω^) 「いやいや、大丈夫だお。むしろ早いくらいだから」

( ,_ノ` ) 「朝が寒くなってきたからな、どうにも目が覚めちまう」

(-@∀@) 「私は逆に、二度寝が怖くて無駄に早起きしてしまいますよ」

('A`) 「いやーアサピーさん、わかるわかる。俺もハインが起こしてくれるようになる前はそうだったなー」

('A`) チラッチラッ

ハハ ロ -ロ)ハ  「!…あの、アサピーさん…でしたら、その、私でよければ、毎朝アサピーさんを起こしても、いいですか?」

(-@∀@) 「え、あ、うん…それは、助かりますね」

('∀`) 「せんせー今朝の朝日は桃色でーす」

( ^ω^) 「はいはーいドクオくんは朝の準備しましょーねー」

開館準備の最中、書架には当たらぬよう配慮された朝日が、読書や物書きのための長机を照らしていて、そこには1つのキーホルダーがあった。

( ^ω^) 「おや、忘れ物かお。いや落としたか」

こういった物は、一見なんてことのない安物でも、本人にとっては大切だろうから。

付箋に場所や日付やらを書いて付け、忘れ物・落とし物用ショーケースへとしまう。

まあでも…案外取りに来ない人の多いこと。

('A`) 「そういえば館長、ツンさんは元気?」

昼食時、かつて同僚だった彼女の話題となった。

人柄も仕事振りも良好なために、退職してからも時々話題に上るのだ。

('∀`) 「こんどサイン貰おうかな…あ、新作でたら買い占めようぜ!支払いは館長の財布な!」

( ^ω^) 「おっおっ、まかせるお」

('∀`) 「えっ」

(; ^ω^) 「これで今年度と来年度の私費はゼロだな…再来年度も無いかもしれん」

('∀`;) 「まって館長、目がマジだ」

午後になっても、彼女が良ければ連れてこようか、暇を見てサインの練習をさせるべきか、なんて考えながら見回りをしていると、一冊の蔵書に目が止まる。

( ^ω^) 「栞?」

ではない、だが何か挟んであるのだ、その本に。

生真面目な司書が見落とすとは思えないから、何かしら理由があるのだろうと手にとって、開く。

随分と、懐かしい作品だった。

( ^ω^) 「フムン、悪戯では無いような気がするお」

挟まれていたのは、学生が使うようなルーズリーフの切れ端。

二つに折られたそれは、書かれている内容を隠す気は無いようで、本を開くと同時にカサリと開いた。

( ^ω^) 「おっ…」

一言。

それは、シャープペンシルで書かれたらしい、少々雑な文字が一列。

『 乙、おもしろかったです。 』


( ^ω^) 「……」

( ^ω^) 「…そう、かお。これ、おもしろかったのかぁ…」

たかが一言、されど一言。

僅か十二文字の感想から、照れ臭くとも伝えたかった気持ちが、僕の胸を高鳴らせてくれた。

そうか、そうか。

うんうんと頷いて、僕は本を戻す。

( ^ω^) 「ありがとう」

この感想をくれた人が、どんな人なのか僕は知らないし、まあ十中八九は、一生知らないままで終わるだろう。

この言葉を文字にして残してくれた人は、しばらくすればこの本なんて忘れてしまうかもしれない。


それでも僕は、感謝する。

だってこの人は、僕の感性にイエスと言ってくれたのだから。


枯れたと思って久しい、僕の若々しい衝動は、僅か一言で報われる。


( ^ω^) 「ありがとう、だお」

添える花に貴賤など無い。

野に咲いていた一輪も、手間のかかった高級な花束も、墓に添えれば等しく彩る、慰める。

僕は改めてズラリと並んだ蔵書を見た。

中には、書いた本人にとって忘れたい過去となった物だって、あるだろう。

……別に、忘れたって構わない。

僕がいつか、誰の記憶からも居なくなるように、この図書館もまた、いつかは消える。

けど、それがどうした。


かつて書いた僕の話に貴重な時間を費やして、しかも一言、伝えてくれた人が居たのだ。

他にも、読んでくれた人が居る。

彼ら彼女らにとって一瞬の暇潰しでも良いのだ、それが忘れ去られたって良いのだ。

なんせ、僕はこれで、昔の僕に胸をはって自慢できるのだから。

( ^ω^) 「やったぜ」

なんと短絡的か。

なんと刹那的であることか。

でも、小難しい事を考えるのが苦手なオッサンとしては、上出来である。


ありがとう、見知らぬ誰か。

ありがとう、読んでくれた誰か。


あなた達はすぐに忘れるだろう、僕なんかの拙いお話よりも面白くて大事な物が、この世界には溢れ帰っているのだから。

次から次へと、価値有るものは見付かるのだから。


なんて綺麗だと見とれた夕焼けも、ずっと眺めていたい朝焼けも、気付けば見たことすら忘れているものだ。

人間の命は確かに儚いが、決して薄っぺらでは断じてない。

( ^ω^) 「さて、見回り再開だお」

いつか全て消えて無くなる。

そんな、分かりきった事で悲観にくれる感性を、オッサンな僕は忘れてしまった。

だから僕は、騒ぐ心を無視して、平素と変わらず職務をこなすのである。


嗚呼。

僕もかつては、ルーズリーフに書いてくれた誰かのように、熱意の赴くまま一生懸命、文字で伝えたし、友人に語ったりもした。

絵にしたことだってある。

もっと詳しく、この気持ちを伝えるにはどうしたら、と考えて。

気が付けば、僕も物語に挑戦していた。

まったく、苦笑する他ない。

今となっては、きっかけひとつ思い出せないくらいには、当時の僕は一瞬に生きていたのだ。


( ^ω^) 「我が人生に、一片の幸あり、だお」



以上

感想、批評など、お願いします


ブーンが乗り越えた過去に勝手に押し潰されそうな自分がいる

今年もよろしく

ここなんだかんだ人いるよな
たぶん面子が固定化されてるけど

スミマセン
現在のブーン系の拠点ってどこなんですか?
拠点のしたらばとかあるの?

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/subject.cgi/internet/21864/

ちゃんと貼れてるかな。ここへおいで?

735いやあ名無しってほんとにいいもんですねNGNG
>>734
ありがとう
ありがとう
ありがとう

ふと思い出してシベリア2周年祭りどんなんだったっけって読み返そうと思ったんだけど
もう青空ホライゾンのページ残ってないの?

https://web.archive.org/web/20170710060421/http://aozorahorizon.gob.jp/sougou/archives/189
アーカイブあったぞ

>>737
うわああああありがとうございます!!!
早速読んでくる

久々に来た
寒い

っウォトカ

どうも
最近何も書いてなくて気づいたら手が錆びてたよ

っクレ556

556は先を越されたので

染み込ませて錆を拭き取るためのウェスをあげよう

ほんとここはどこからか人が湧いてくるな

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